第67回 ポルトガル歴史的な村、ピオダォン

ポルトガル歴史的な村、ピオダォン

[2018.7.12]

いつか訪れてみたいと思っていた村、ピオダォン。

 

先月、念願叶って行くことができました。

 

ポルトガル政府が指定している歴史的な村々(Aldeias Historicas)。村を保護し、観光を振興することを目的に12の村が指定されています。その中の1つがこのピオダォン(Piódão)と呼ばれる村です。歴史的な村々は辺境の地にあることが多いですが、このピオダォンも都会からは離れた山の中にあります。ポルトガルで標高が最も高いと言われているセーラ・ダ・エストレーラのあたりに位置しています。コインブラ方面から向かったのですが、想像以上にくねくねした山道でした。所要時間も観光用の大型バスだったので、2時間強かかりました。道幅が狭いため、レンタカーなど乗用車で行かれることをお勧めします。あまり天気が良くなかった日だったので、標高が高くなるにつれて霧が強くなり、途中、前も横も見えない状態が続きました。

霧が出ていて幻想的。なんとなく村が見えます。

そんな山道を通り過ぎ少し山道を下ると、小さくピオダォン(Piódão)の看板が。これを見た時からわくわくが止まりませんでした。

見逃してしまいそうな看板

そして、この看板を過ぎると向かい側にずっと訪れたいと思っていたピオダォンが現れました。何とも言えない独特な雰囲気に包まれています。

趣があります。

村に到着すると雨が降ってきましたが、わくわくする気持ちを抑えきれず、張り切って散策に出かけました。小さい広場から坂道を上がるように家々が建てられています。特徴的な薄い石を積み重ね壁を作っています。ポルトガルの他の地域ではあまり見たことがありません。北部にも石を使った家は多いですが、ピオダォンのこの石とは異なります。この薄い石は、ピオダォン付近の山にたくさん落ちていたので、自然にできた形状なのかもしれません。

この薄い石が特徴的な家の外観を創り出します。

この石を屋根まで積み重ねた作りが多くとてもユニークです。家だけではなく、道や階段もこの石が使われています。濃い色の石なので、村も全体的に落ち着いた色合いになっています。ただ、ドアだけは鮮やかな青色をしているので、アクセントになってとても可愛いです。

ドアと窓の縁を青くしているお家が結構あります。

ほとんど住民に会うことなく、家々の間を抜けて階段を上がっていくと、村を一望できるスペースに到着しました。向こう側には泊まる予定のホテル(イナテル)が見えました。

段々畑の上にあるとんがり屋根が可愛いホテル。

村には2011年には178人が住んでいたそうですが、今ではもっと少ないかもしれません。 訪問した日は平日で天気もあまり良くなかったので、村のカフェもお土産屋さんもガランとしていましたが、おかげでじっくりお土産を見ることができました。
手作り感のあるマグネット。チョークの様なものでピオダォンと書かれています。
またお土産を見ていたら、お店のお兄さんにピオダォンのリキュールを勧められました。 いくつか種類があり試飲をさせてもらいました。アルコール度数が高そうな見た目のこちらのリキュールは、サブゲイロ(Sabugueiro)という白いお花から作られています。ほんのり甘くてシロップのようです。
透明のリキュールです。
村での滞在は1時間弱でしたが、すっかり魅了されてしまいました。 向かい側のホテルで1泊しましたが、ちょうど部屋の窓からピオダォンの村と周りの段々畑を見渡せました。ホテルに着くと雨も本格的に降り始めました。雨のピオダォンも哀愁が漂っています。何をするわけでもなく、窓の外をぼーっと眺めていると、21時くらいにオレンジの街灯が少しずつ点灯しました。5分後くらいには村がオレンジの温かい光につつまれ、待ち望んでいた絶景を心ゆくまで楽しむことができました。

これこそ待ち望んでいたピオダォンの夜景。

30分もすると辺りは暗くなり、黒い家はあっという間に暗闇に溶け込み、ぽつぽつとオレンジの光が見えるだけになりました。そして22時過ぎごろにはオレンジの外灯も消え、真っ暗でホテルからは何も見えなくなりました。

 

翌朝、霧はすっきりと晴れ、ピオダォンの村が昨夜とはまた違う表情を見せてくれました。

朝は段々畑の緑が鮮やかです。

この日は、フンダオンに向かいましたが、その道中、山火事の被害を目の当たりにしました。真っ黒に焦げた山をみると、複雑な気持ちになります。民家の間近で発生した山火事。迫ってくる恐怖。毎年発生している大規模な山火事ですが、どうにか解決策が見つかって欲しいと思います。

 

ポルトガルの歴史的な村の1つでもあるピオダォン、いかがでしたか。

辺境の地ではありますが、一度は訪れてみたい場所です。

 

それではまた次回!

バックナンバー

RSS

  • 第82回 ポルト周辺!海の見えるカフェ・レストラン

    今日は私のお気に入りの、ポルト周辺で海の見えるカフェやレストランをご紹介したいと思います。

  • 第81回 最近増えています!ポルトガル発ブランド

    ヨーロッパの中で手先が器用なことで知られているポルトガル。
    これまで、フランスやイギリスなど、多くの有名ブランドの商品づくりを支えてきました。

  • 第80回 地元のお客さんに大人気!アヴェイロ郊外で開催される干しダラ祭り

    ポルトガルのソウルフード、干しダラ。現地ではバカリャウ(Bacalhau)と呼ばれ、とても愛されている食べ物です。

  • 第79回 王妃シリーズ①ポルトガルに大きな影響を与えたイギリス出身の王妃

    陰で王室を支え、時には歴史を動かした、強く生きた女性たちを紹介していきたいと思います。

  • 第78回 クリスマス飾り、プレゼピオ。

    ポルトガルの12月と言えば、もちろんクリスマス。

  • 第77回 ポルトガルの運命を決めた、アルジュバロータの戦い

    今日は、ポルトガルの歴史の中で正に『その時歴史は動いた』と言える出来事を紹介したいと思います。

  • 第76回 建物そのものが美しい!リスボンでお勧めのアズレージョ美術館

    今日も前回に引き続き、私がとても気に入っている美術館をご紹介します。

  • 第75回 気分はシンデレラ!必見の馬車博物館

    ポルトガルの豪華な国立馬車博物館をご紹介します。

  • 第74回 コルク生産、世界一!

    ポルトガルはコルクの生産量が世界一なのです!

著者プロフィール

19歳の時にポルトガルに出会いすっかり虜になる。大学卒業後、日本で貿易実務、ロジスティクス、マーケティングの経験を積むが、日本とポルトガルをビジネスで繋ぎたいという気持ちが大きくなり渡ポすることを決意。ポルトガルに1年半留学しMBAを取得。在学中、現地企業やビジネスパーソンとの幅広いコネクションを築く。

現在はポルトガルジュエリーのブランド「フィリグラーナ・コン・アモール(Filigrana com Amor)」を立ち上げ、インポーターとして活動。日本とポルトガルを行き来しながら両国の情報を発信し、人・ビジネス間の交流が活発化するよう邁進中。

Web: http://www.shop.filigranacomamor.com/
www.eleuteriojewels.com
E-mail:s.kiriyama@worldfiligranakk.com

■店長ブログトップはこちら→

https://www.m-portugal.jp/blog2/

 

■メルカード・ポルトガル・オンラインショップはこちら→

http://www.m-portugal.jp/

 

■ポルトガルジュエリー・オンラインショップ「フィリグラーナ・コン・アモール」はこちら→

http://www.shop.filigranacomamor.com/


■コラム「Portugal Lifestyle ポルトガル流、幸せなライフスタイル」はこちら→
http://www.m-portugal.jp/portugal_life/

 

■コラム「毎日飲みたいポルトガルワイン」はこちら→
http://www.m-portugal.jp/portugal_winenavi/

ポルトガルワイン検定

※外部サイトです

食品

ポルトガルの食品
その他の食品

ワイン

ピックアップワイン
ワインセット
ポルトガル種類別
ポルトガル産地別
その他ワイン

雑貨

ポルトガルのお土産
キッチン雑貨

ギフト

オリーブオイルギフト

お支払方法

  • クレジットカード決済:VISA、MASTER、DINERS、JCB、AMEX、DISCOVERがご利用いただけます。
    • visa
    • MasterCard
    • DINERS
    • JCB
    • AMEX
    • DISCOVER
  • 代金引換:手数料220円(商品合計5,400円以上で無料)
  • 銀行振込:手数料お客様負担(ジャパンネット銀行)
    • 2回目までは前払い、3回目以降は後払い
    • 高額のご利用は、先払いとなります

配送について

  • 全国一律 700円(商品合計8,000円以上で送料無料
    • クール便手数料 220円
    • 沖縄県は別途540円ご負担ください。
  • 送料無料条件
    • 商品合計8,000円以上お買い上げ
    • ワインを6本以上お買い上げ
    • 送料無料商品との同封

ギフト包装について

  • ギフト箱、包装紙、リボンまたは熨斗:一包装につき216円
  • 簡易ラッピング(ギフト袋&リボン):一包装につき108円
詳細はこちら

営業日カレンダー

2024年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

2024年5月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

 は定休日となります

ページトップ

【ポルトガルワインとオリーブオイル Mercado Portugal】
www.m-portugal.jp
株式会社メルカード・ポルトガル
〒248-0013 神奈川県鎌倉市笹目町4-6
TEL:0467-24-7975

当店では、未成年者への酒類の販売は固くお断りしております。

Copyright © 株式会社メルカード・ポルトガル all rights reserved.