第75回 気分はシンデレラ!必見の馬車博物館

気分はシンデレラ!必見の馬車博物館

[2018.10.26]

芸術の秋ですね。
私は歴史あるものがとても好きなので、ポルトガルでもよく美術館や博物館を訪れています。いくつもお薦めしたい場所がありますが、今日はとにかく豪華な国立馬車博物館をご紹介します。
 
この博物館は、1905年にオープンした歴史ある施設です。当時のアメリア王妃が、馬車や馬術が好きで自らのコレクションを公開しようと考えたことが始まりでした。最初は、王室の乗馬学校を改装し博物館として運営していました。この乗馬学校の建物は、1726年にイタリア人の建築家により建てられた、既に由緒ある場所でした。
 
つい最近、2015年に博物館の主なコレクションは、この由緒ある建物から新しい建物へと移動しました。

とてもモダンな施設です。ベレン地区に堂々と建っています。

有名なジェロニモス修道院やベレンの塔と同じエリアにありながら、ここの博物館はわりと空いています。並ぶことなく入れるので観光スポットの穴場です。館内に入ると目の前に広がるのは、本物の馬車がずらりと並ぶ圧巻な風景。映画の中や絵本の中でしか見たことのない乗り物に、とにかく感動します。

私が「シンデレラ馬車」と勝手に呼んでいる17世紀の馬車。

この馬車は、フランスのお姫様だったマリー・フランソワーズ・ド・サヴォワ=ヌムール(ポルトガル名はマリア・フランシスカ・イザベル・デ・サボイア)が、1666年アフォンゾ6世に嫁いだ時、ルイ14世から贈られたもの。フランス製ですが、ポルトガル王室に敬意を示したのか、扉にはポルトガルの国章が描かれています。
扉に描かれた国章
18世紀に入ると、ジョアン5世がブラジルの植民地化に成功し、多くの金やダイヤモンドがポルトガル国内にも入るようになり国は繁栄します。この歴史を見て取るかの様に、馬車の装飾も豪華になります。
 

ジョアン5世の結婚式に贈られた馬車。

こちらもおとぎ話に出てきそうですね!18世紀のポルトガル製です。車輪にまで細かい装飾がされています。

ジョアン5世に嫁いだ神聖ローマ帝国のお姫様マリア・アンナ・ヨーゼファ・フォン・エスターライヒの馬車

横幅7m近くあるこの馬車は、今のオーストリア辺りから11隻の船により運ばれたそうです。オーストラリア製です。ほんの少しですが、ポルトガル製と雰囲気が異なります。

1716年、ジョアン5世からローマ教皇クレメンス11世へ献上された馬車。

とにかく豪華な装飾のこの馬車は「海洋馬車」という名前が付けられています。その理由が後方部分の装飾にあります。かつてのポルトガルの王室や航海士たちの偉業を讃えた飾りになっているそうです。いくつか大きな馬車の前には、モニターが設置されていて、馬車の詳しい説明や内装の写真などを拡大してみることができます。
 

タッチパネルなので動きもスムーズです。

ジョアン5世の時代のコメルシオ広場。まだリスボン大地震が起きる前の様子でしょうか。
賑わっている様子がわかります。

館内には馬も!もちろん本物ではありませんが、とってもリアルです。

以上豪華な馬車をご紹介してきましたが、その他に日常に使用する質素な馬車も展示されています。
 

軽くて速く移動できる馬車。雨も避けられるよう運転席側に革のカバーが付いています。

車が広く使われるまでは、馬車が主な移動手段だったことが良く分かります。時代背景と共に見て回れるとても楽しい場所です。世界一、馬車の収蔵数が多いリスボンの国立馬車博物館。今回は新館をご紹介しましたが、旧館も開館していて馬車も展示されています。ベレン地区に行かれる際は是非立ち寄ってみて下さい。
 
国立馬車博物館(Museu Nacional dos Coches)
住所:Avenida da Índia nº 136, 1300-300 LISBOA
http://museudoscoches.gov.pt/pt/
 
それではまた次回!
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19歳の時にポルトガルに出会いすっかり虜になる。大学卒業後、日本で貿易実務、ロジスティクス、マーケティングの経験を積むが、日本とポルトガルをビジネスで繋ぎたいという気持ちが大きくなり渡ポすることを決意。ポルトガルに1年半留学しMBAを取得。在学中、現地企業やビジネスパーソンとの幅広いコネクションを築く。

現在はポルトガルジュエリーのブランド「フィリグラーナ・コン・アモール(Filigrana com Amor)」を立ち上げ、インポーターとして活動。日本とポルトガルを行き来しながら両国の情報を発信し、人・ビジネス間の交流が活発化するよう邁進中。

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