第57回 美味しすぎるマデイラ島!飲み物編

美味しすぎるマデイラ島!飲み物編

[2017.1.26]

すっかりマデイラ島に魅了されているさちこです。

前回はマデイラの美味しい食べ物をご紹介しましたが、今回はマデイラの飲み物についてご紹介します。

 

お酒が好きな方は、“マデイラ”と聞くと甘いお酒を連想するかもしれません。実はその通りで、マデイラ島には世界3大酒精強化ワインの1つとされるマデイラワインがあります。

私が好きなペレイラ・ドリヴェイラ社のマデイラワイン

私が好きなペレイラ・ドリヴェイラ社のマデイラワイン

ぶどうの果汁が酵母によって発酵している時に、蒸留酒を加えることにより発酵をストップさせるワインです。発酵が途中で止まることにより、酵母が糖分を消費しなくなるので、甘さが残るワインになります。

 

マデイラワインの歴史はとても古く、大航海時代の航海士たちが持っていたワインがきっかけとなり作られるようになったと言われています。当時、アジアと交易をしていたポルトガルは、航海士たちの旅の楽しみとしてワインを樽に入れて運んでいました。長い航海期間の中で、船は赤道を越えることもありました。ワイン樽が積まれた船底はとても暑かったことでしょう。そんな長旅を終え帰国し、航海士たちが樽の中に残っているワインを飲むと、彼らはワインがとても美味しくなっていることに気が付くのです。

フンシャルのマデイラ歴史博物館。航海士たちが船内でワインを楽しんでいる様子。

マデイラワインの製造過程で「加熱処理」はとても大事なこと。樽の中でワインが空気に触れ酸化することで、マデイラワインの特徴的な味わいができていきます。酸化しても悪くならないのは、熱が加わっているから。今でも、加熱処理にはマデイラの太陽の力が使われているのです。(温水を使って温める方法もあります)
加熱処理の後は、熟成期に入ります。マデイラワインは数年から数十年の間、樽の中で熟成されます。加熱した後に熟成するため、今でも200年以上前のものが飲めてしまうマデイラワイン。とてもロマンを感じますね。
 
ちなみに、17世紀のイギリスでは、当時、イギリスの植民地へ外国船が入港することを禁じていました。しかし、1662年にチャールズ2世がポルトガル王女キャサリン・オブ・ブラガンザと結婚すると、特別にポルトガル船の入港を許可します。そのため、ポルトガルはアメリカにマデイラワインを直接輸出することができました。当時のアメリカでワインと言えば、マデイラワインだったのです。1776年にトーマス・ジェファーソンがアメリカ合衆国独立宣言をした時、乾杯にはマデイラ産のワインが使われたとも言われています。

今ではマデイラワインを製造する会社は8社のみ。さらに、海外へ輸出しているメーカーは6社だけなので、大切に受け継いでいってほしいワインです。

 

さて、マデイラ島には他にもユニークな飲み物があります。

それが「ポンシャ (Poncha)」と呼ばれるカクテルです。一般的に、ラム酒にハチミツとレモン汁を加え、専用の棒(Pau de Poncha)で勢いよくかき混ぜます。マデイラ島ではサトウキビ栽培が盛んだったことから、ラム酒も製造されているので、そのラム酒を使った名物カクテルと言えます。

レストランでは作り立てのポンシャを頂けます。

レストランでは作り立てのポンシャを頂けます。

名前の響きと見た目が可愛いポンシャですが、実際にはラム酒がしっかり主張していて、私には強く感じました。

 

もう1つマデイラのカクテルとしてご紹介したいのが、「ニキタ(Nikita)」。

フンシャルのお隣町、カマラ・デ・ローボスで生まれたカクテルで、現地の人たちに人気とのこと。パイナップルジュース、バニラアイス、白ワイン、ビールなどを合わせシェイクしたカクテルで、見た目も味も南国らしいですね。ちなみにニキタは1985年に作られたカクテルで、その年にエルトン・ジョンが発表した歌から名前をもらったそうです。

溢れんばかりのニキタ。

前回のコラムでも紹介しましたが、マデイラ島にはパッションフルーツを使った食べ物が色々あります。もちろん、ジュースもあり、現地の人たちも良く飲んでいるようです。 甘すぎず爽やかな味でランチタイムにぴったりです。

マラクジャはポルトガル語でパッションフルーツのことです。
マデイラ島には古くから市民に愛されている炭酸飲料があります。その名も「ラランジャーダ(Laranjada)」。マデイラの大手飲料メーカー(Empresa de Cervejas da Madeira)が製造している飲み物ですが、実はコカ・コーラができる前から販売されていた炭酸飲料なのです!ボトルには堂々と「1872」と書かれています。
以前マデイラ島で「ラランジャーダにする?」と聞かれて、「ラランジャーダって何?」と聞き返したら「ラランジャーダを知らないなんて!ぜひ試してみて」と言われたほどです。マデイラ島の人々にはとても愛されているのですね。










子供も大人もラランジャーダ
最後にご紹介するのが、蜂蜜のお酒「イードロメル(Hidromel)」。
蜂蜜酒はワインが作られるもっと前の時代からあるお酒です。マデイラ島には有名な蜂蜜酒はありませんが、現地の養蜂家さんたちが家で楽しむために少量を作っています。















マデイラ島北部のポルト・モニス(Porto Moniz)で作られた蜂蜜酒

マデイラ島の美味しい飲み物たちはいかがでしたか。

なかなか行く機会が少ないマデイラ島ですが、1週間ほどじっくりと滞在したい素敵な場所です。

 

それでは、また次回!

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19歳の時にポルトガルに出会いすっかり虜になる。大学卒業後、日本で貿易実務、ロジスティクス、マーケティングの経験を積むが、日本とポルトガルをビジネスで繋ぎたいという気持ちが大きくなり渡ポすることを決意。ポルトガルに1年半留学しMBAを取得。在学中、現地企業やビジネスパーソンとの幅広いコネクションを築く。

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