大根と塩豚と山椒のスープ
太陽と風と人がつくる塩
ポルトガルの家庭で普通に使われている塩は、粒の粗い天日塩です。小イワシの入ったバケツにザラッと振り入れ、臭みを取って塩味をしみ込ませる。ポルトガル人はイワシを炭火で焼いて、焦げた皮は器用によけて身だけ食べます。適度に脂が落ちてほんのり塩味のするイワシは、上品な味がするような気がします。
地中海から大西洋沿岸は、数千年前から塩が造られてきましたが、地球上で完全な天日塩を造れる所は、実はそう多くはありません。乾燥して気温が高く風のある場所、広大なラグーン(潟)に海水を引き込み、塩田で育てていきます。ゆっくり結晶化する塩は、溶けるのもゆっくり。お野菜やお肉にじんわりとなじみながら、素材の持ち味を引き出します。
日本でも、漬物や味噌作り、魚を焼くときも自然塩は欠かせないものです。パスタをゆでるときもたっぷりの粗塩を使いますよね。
今回ご紹介するのは、塩の味がとてもよくわかるシンプルなスープ。大根と豚肉と山椒を水から煮て数十分。短時間でも味わいのあるスープに仕上がります。
材料(4人分)
大根 |
1/2本 |
---|---|
豚バラ肉 |
かたまりで300g |
実山椒 |
大さじ1 |
酒 |
大さじ3 |
適量 |
作り方
- 豚肉全体に塩小さじ1をまぶしてラップでピッチリと包み、冷蔵庫に一晩入れておく。
- 大根は大きめの乱切りにする。豚肉は洗って水気をふき取り、1cm厚さに切る。
- 鍋に材料全部を入れてかぶるくらいの水を加え火にかける。沸騰したら中火で大根が柔らかくなるまで煮る。
○塩豚にすると適度に水分が抜けて肉がしまっておいしくなります。面倒な時はベーコンでもOK。その時はさっと湯通ししてから使って下さい。
○実山椒(味つけしていない緑色の実)がなければ、仕上げに粉山椒をかけてもいいですが、やっぱりいっしょに煮た方がおいしくなります。
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レシピ提供:丹田いづみ (Tanda Izumi)さん
1983年に初めてポルトガルを旅して以来、料理や風土、人に惹かれて度々訪れるようになる。会社勤務のかたわらヨーロッパ、アメリカ、アジアなど各国を旅してその食のイメージを元に料理教室を主宰。
2006年から京都で週末だけのポルトガル料理店「レストランBoaBoca」を開く。2017年、長年暮らした京都を離れ地産地消の徳島に移住。現在はレシピ制作やケータリング、各地で不定期に移動レストランを開いている。