ポルトガルを訪れた旅行者のほとんどが必ずと言っていいほど惚れ込んでしまうワインがあります。
グリーンワイン。
ちょっと謎めいたネーミングですが、このワイン、緑色のワインではありません。
英語でグリーンワイン/Green Wine, ポルトガル語でヴィーニョ・ヴェルデ/ Vinho Verde と呼ばれるこのワインは、ポルトガルだけでしか作られていない特産ワイン。
ポルトガルの北部、ヴィーニョ・ヴェルデ地方で作られています。
グリーンという言葉が連想させる、若々しい、フレッシュ&フルーティな味わい、アルコール度数が低め(8.5%-11.5%)の、多くの場合は微発泡タイプ。口当たりがよく、女性にも大人気。アルコール度数が低い分、カロリーが少ないのも特徴の一つ。嬉しいですね!
名前の由来については、ワインが若々しいグリーンな印象だからという説と、作られている地方に由来するという話も。
緑が美しいブドウ畑。
ヴィーニョ・ヴェルデの産地は、ポルトガル最北部の大西洋よりの広い地域で、夏涼しく冬暖かな穏やかな気候。エメラルド色の谷や、松の香りのする緑濃い森林、ブドウ畑などがなだらかに連なる美しい土地で、「コスタ・ヴェルデ(緑の海岸)/Costa Verde」とも呼ばれています。
爽快な味わいで、すっきりしとしたのど越しで、ビールの代わりとしても1年中人気のあるワインですが、残暑から秋口にかけて、キリッと冷やしたヴェルデは特におすすめです!
もともと海洋国家のポルトガル。海の幸を好んで食べる国民のワインなので、たとえば、日本のさんまの塩焼きとも相性抜群。
てんぷらは、ポルトガルをルーツに持つといわれていますが、不思議なことに、ヴィーニョヴェルデとよく合います。爽やかな微発泡が、テンプラの油を流してくれるからでしょうか…。
おつまみとして登場するフリッター。
ポルトガルでは数年前よりにわか日本食ブームが来ていて、ポルトガル人は、「ヴィーニョ・ヴェルデは寿司やサシミともよく合うんだよ」と言いますが、個人的にはあまりおすすめしません。それは、ワインのフルーティさが、かえって魚の生臭さを強調してしまうからです。合わせるとしたら、少し熟成した、落ち着いた味わいの白ワインがよいと思います。
ポルトガルでは、ワインといえば、赤ワインを指すことが多く、「ヴィーニョヴェルデは軽いからランチ用」、または「夏用」に好む人が多いようです。ボリューミーなポルトガルの食事には、ヴィーニョヴェルデではバランスが悪いんですね。
ヘルシーな和食とヴィーニョヴェルデは、相性がとてもいいです。軽い飲み口なので、何杯でもいけちゃいます。
食前酒(シャンパンより安い!)や、ホームパーティ、バーベキューにもオススメです。
理屈抜きで美味しいので、ぜひ一度試してみてくださいね。
最後のおまけの一枚。
前菜としてポピュラーなバカリャオ(干しダラ)のコロッケ/pasteis de bacalhau
日本にあるポルトガルレストランにも食べられる定番で、これぞ、ヴィーニョ・ヴェルデと合わせると最高!オリーブオイルでかりっと揚げると軽やかな仕上がりになります。