2017年4月3日、縁あってポルトガルから研修旅行に来ている経済を学んでいる学生(院生)16名の前で、自分のビジネスについて英語で話をする機会を頂きました。
ポルトガルで学ぶ学生さん、中にはポルトガル以外の国の人も
というのは、学生たちを率いる教授のアントニオさんは、私が23年前にポルトガル留学中、観光先で知り合ったアミーゴ(友達)なのです。昨年、今度日本へ行くから学生たちに話を聞かせてほしい、と相談されたものの、「ビジネスの勉強をしている学生さんたちに、訳立つ話が私にできるのか」、自信がなく迷いました。でもアントニオが、「日本でポルトガルに関係するビジネスを展開しているんだから、彼らにとっても興味深いと思うよ。堅苦しく考えなくていいから!」と言ってくれたので、これまで彼にもお世話になっているし、恩返しのつもりもあって引き受けることにしました。
それでも一人では心細いので、ポルトガルの伝統金銀細工フィリグラーナの輸入販売を手掛ける、若くてエネルギッシュな桐山佐知子さんにもプレゼンを頼みました。
当店のコラムも書いて下さっています。
桐山さんは、ご自身もポルトのビジネススクールでMBAを取得されていて、私よりも学生たちと年齢も近いし(!)、私は食品、彼女はアクセサリーで、別々の分野の話をすることになりました。
この日のために、私たちは、パワーポイントの資料を用意していたのですが、なんと緊急事態!テクニカルな問題が発生して、プロジェクターが使えない!仕方なく、資料は使わず、トークで勝負することになりました。
データなどのスライドはなく、経験や感じていることを自分たちの言葉で話すことになり、学生さんたちも真剣に聞いてくれて、結果的にはとても良かったです。「説得力があった」と、アントニオが後で褒めてくれました。話の途中に、学生さんたちはいろんな質問をしてくれました。
■まずは私の話。
・ポルトガル語を大学で学んだのがきっかけで、ポルトガルと縁が深まり、2001年に
メルカード・ポルトガルを立ち上げた。
・当初は郵便で取り寄せられるような、刺繍などの小物を中心に販売し、注文がない日もあった。
・現在は、オリーブオイルやワインがメイン商材。楽天市場を中心にネット販売の他、飲食店などへ卸も行っている。
ポルトガルには楽天市場のような大手モールが存在しないようで、ネットショップの仕組みや、充実した日本の宅配便について、とても興味を持ってくれました。
学生さんたちの真剣なまなざしに負けないように話しました!
船便は時間がかかり、貨物のオーダーから入荷まで3か月かかる。3か月先の在庫を予測するのが大変、ということにはみんな大きく頷いていました。
また2001年当初は、ポルトガルに関する情報や、市場に流通しているワインはとても少ない中、販売していくのに苦労した。でも、日本人はポルトガルへ旅行などで訪れると、お米やシーフードが多いポルトガルの食事や親切な国民性に魅せられ、ポルトガルのファンになる。日本でも、ポルトガルの良さが最近になってようやく気付かれ始めている、と説明すると、喜んでくれました。
■そして桐山さんの話。
フィリグラーナの輸入を始めるようになった経緯を語ります
・留学先のチェコでポルトガル人と知り合ったのがきっかけで、ポルトガルと出会う。
・ポルトガルで出会った伝統的な金銀細工のジュエリー「フィリグラーナ」と「恋に落ち」、日本でキャリアを積んだ後、2016年に輸入事業を立ち上げた。
フィリグラーナは、器用な手先と熟練した技術がないと作れない高度な工芸品であるが、それが日本では知られてない。商品を売り込む際、それをわかってもらうのがまず大変。
日本人は「ブランド」に押されて購入することが多い、ポルトガル人は「ブランド」よりも、自分の目で判断ができる。
昨年は、ジュエリーのデザインが日本人のテイストと合わないので、デザインの変更に注力するため、ポルトガルに何度も通った。日本人好みのデザインになるように、現地の職人たちを説得、説明するのに奮闘していた。
最後に桐山さんは、学生たちへのメッセージとして、仕事は長く続けるものだからパッションが必要、と力説していました。パッションがあるから、「私は会社を辞めてこの道を選んだ」、と。
情熱は人を突き動かす!
私も初心に戻り、ポルトガルに対するパッションを忘れずに頑張ろうと思いました。
そして、私たちどちらのビジネスにも共通しているいえることは、
「ポルトガル」という国のブランディングが大切だということ。
「ポルトガルってどんな国?」と説明するところから始まるので、ここでポルトガルの良いイメージを伝えるのは重要です。そのために、桐山さんが主催で、ポルトガルに関するプロたちが集まって、物販だけでなく、文化、音楽、食、観光など、広くポルトガルについて知ってもらうイベント
「そうだ!ポルトガルへ行こう!Vamos a Portugal!」を定期的に開催している、という話をすると、学生たちは皆嬉しそうでした!
※イベントのFacebookページはこちら→
■最後に質疑応答タイム。
・なぜみんなマスクをしているの?
・なぜ道にゴミが落ちてなくて、ゴミ箱もないのか?
・日本人はなぜ英語を話さないのか?
これに対しては、言語に関係なく、ポルトガル人の方が男女問わずおしゃべりな人が多いね、という結論に至り、、、
・電車の中でみんな静かなのは不思議。
・携帯で話すな、というアナウンスもおもしろい。
・(新宿にステイしているので)店はコンビニしか見かけないが、野菜や果物を買えるスーパーはないのか?
・・と、話題は多岐にわたり、大いに盛り上がりました。
ポルトガル人から見た日本に関する質問は、逆に新鮮でした!
セミナーの後はみんなでランチ。
Shabu shabu!!
最初は二の足を踏んだけれど、このような機会を与えられ、私にとって、とても良い経験となりました。
自分がポルトガルに留学した時も、あれくらいの年齢の人たちと一緒に学び、たくさん助けてもらったな、、少しは恩返しが出来たのかな、、。そんな風に昔を思い返しながら、爽やかな気持ちで新年度のスタートを切ることができました。
アントニオとみんな、そして桐山さんにも、どうもありがとう!
Muito obrigada!!