ポルトガルで最もポピュラーの食べ物、それは間違いなくバカリャウ(塩漬けの干しダラ)bacalhau!
大きな姿で販売されているバカリャオ
スペインではバカラオ(Bacalao)、イタリアではバッカラ(Baccala)とも呼ばれ、ポルトガル以外のヨーロッパの国でも食べられていますが、レシピが365種類あるといわれるほどポピュラーなのは、ポルトガルだけ。
国民食として伝統的に根付いています。
なぜバカリャウがポルトガルでこれほどまで定着したのでしょう?
その理由は大きく二つ考えられ、
一つは、宗教上の理由。ポルトガルは今でも国民の90%がキリスト教と言われていますが、かつてキリスト教世界では、四旬節(イースターの46日前の水曜日からイースターの前日土曜日までの期間)など、肉を控えなければならない日が一年の半分以上ありました。そのため、バカリャウは肉に代わる貴重なたんぱく源でした。
もう一つは、ポルトガルは乾燥した気候で昔から天日塩にも恵まれていたため、タラの塩蔵加工ができたこと。脂肪の少ないタラは、塩漬けにすると水分が抜け、腐ることがなく、保存食に適していたのです。
ポルトガルの代表的なバカリャウ料理には、「バカリャウのコロッケ」、「バカリャウのグラタン」、「バカリャウ・ア・ブラース(干し鱈とフライドポテトの卵和え)」などがあります。
また、ポルトガルでは、クリスマスのご馳走はローストチキンでもターキーでもなければ、「バカリャウ・コジード」。分厚いバカリャウの身を、キャベツ、ジャガイモ、にんじんなどと茹でて、オリーブオイルとビネガーをかけていただくシンプルでも美味〜な料理!素材を活かしたしっかりした味付けなので、バカリャウ・コジードには、赤ワインを合わせます。
ポルトガルの味、バカリャオを、自宅で再現してみました。
自宅で使うのに手軽な400gパック。バカリャウ(干しダラ)
パックを開封すると、ラップが30巻くらいになっています。 魚なのではやはり匂うから…。
切り身が4枚程入っていました。
塩を洗い流してから、水に漬けます。
少し食べてみるとやはりショッパイ!
途中で水を何度か代えます。
パッケージには5時間程度水に戻す、と書いてありますが、それでは塩味がきつ過ぎると思います。
10時間経ったところで味を見てみましたが、もう少し塩抜きしてもいいかな、と感じ、結局12時間かけて塩抜き完了!
こんな感じにふやけてます。
コロッケを作りたいので、身から骨と皮を取り除き、フードプロセッサーでほぐします。慣れないと、小骨を取り損ねないように気を使います。フープロを使わず、昔の人のように手でやろうと思いましたが、時間がかかるので断念しました。
いい感じ!
ジャガイモはメークインを使い、隠し味にナツメグを入れる!など、料理研究家 丹田いづみさんの教えどおりにバカリャウのコロッケを作ります。
タネが出来たので、ラグビー型に成形します。
こつを覚えればカンタンでした!スプーンを2本使って交互に上から押し付けるように…。
(動画もご用意しました↓)
完成!
家でバカリャウのコロッケを作って感じたことは、塩抜きをするところから始めると、完成まで実に24時間近くかかる、スローな料理だということ。でも、時間と手間をかけて作る料理は気持ちが豊かになり、たまにはいいですね。
…と言いながら、ラグビー型に作るのが途中で面倒になり、
手で丸めて団子状にしました!
外はかりっ、中はふわっと。形は違えど、最高に美味しかったです。
このコロッケは、まわりに衣をつけないので、日本の一般的なコロッケよりも軽い仕上がりになります。パンにはさんでサンドイッチにするのもおすすめ。
作りすぎても心配無用!冷凍しても美味しくいただけます。