ポルトガル訪問 ドウロワインとポートワインを生み出す家族経営ワイナリー ケヴェド Quevedo
(2018年10月)
現在中心になってワイナリーを経営している、オスカーが、ポルトに迎えに来てくれました。
「車のタイヤがパンクしたから少し遅れる」と、30分遅れの迎えとなりましたが、会うといつもどおりの爽やかなオスカーでした。

笑顔が爽やかなオスカー・ケヴェドさん、日本にも何度か来てくれています
ドウロの景色。ドウロ川沿いの谷合いに段々畑が広がります
なんと全生産量の94パーセントが輸出!32カ国へ輸出しているそうです。
今年は9月1日から収穫が始まり、訪れた10月10日時点で残り10日間でした。
収穫期間は長いです。
早速ですが、今年のブドウについて聞いてみました。
・5月の受粉の時、雨がたくさん降り、実りが少なかった。
・6月に入っても雨が止まず、菌(おそらくミルデュウ)がついてしまった。ドウロでは初めてのことだったので、処置が遅れてダメージを受けた。ヴィーニョ・ヴェルデ地方は雨が多いから農家たちも慣れてるが、ドウロでは稀なので慣れてない。
・そのため、おそらく40パーセント減少。
ケヴェドでは灌漑をするが、ドウロ地方ではしない生産者が多いそうです。
オスカーがもう一つ教えてくれた大切なことがありました。
・2、3年前からドウロのぶどうが値上がりしているが、その分畑で働く人たちに還元できるからいいことだと思う。
・そうしないと、せっかく仕事を覚えてもすぐにいなくなってしまう。
・ドウロ地方のぶどう生産者は2004年は 25000人いたのに今は18000人しかいない。減っている。
・しっかりとペイして労働者をフィックスいないとならない。
・仕事ができる有能な若い労働者たちが去っていくのはもったいない。
ちなみに、ポルトガルの最低賃金は約600ユーロ。
ケヴェドではそれ以上の金額を払うようにしているようです。
それだけ「人」を大切にしています。
良いワインはぶどうから。
よいぶどうはよい人が作る。
だから人を大切にしなければいけないわけですね。
ケヴェドの自社畑は全部で121ヘクタール。現在20人が働いています。
30ヘクタールある畑キンタ ダ トロヴィスカの収穫現場を見学
シスト土壌。痩せた土壌なので生産量は少ないが、質は高い。水はけがよいから根が下に伸びるそうです。
畑に何か動物の足跡。狐かな、とオスカーは言ってました。
左がソウザオン(ヴィニャオン)とティンタ・ロリス(テンプラニーリョ)
ランチはサン・ジョアン・ダ・ペスケイラの町にある人気のピッツァリアで。美味しいピッツアには赤ワインが良く合います。
醸造家でオスカーのお姉さん、クラウディアにいろいろと試飲させてもらいました。
試飲しながらワイン造りについても教えてもらいました。
・ぶどうはすべて除梗する。そうしないと植物くささが残ってしまう。
・赤はすべて18度でマロラクティック醗酵をする。そうすることで、ソフトでなめらか、丸みを帯びたワインになる。
・白はフレッシュさを失いたくにから、マロラクティック醗酵はしない。
・・などなど。
・いいワインには酸が大切、酸こそワインの寿命の鍵
・ワインは畑ごとに分けてタンクに入れている。
おもしろいな、と思ったのは
・ワインは生きているので、閉じた味わいの時もあれば、開いた味わいの時もある。
というお話。日々ワインと向き合っている作り手だからこそ出てくる、深いコメントだと思いました。
ケヴェドのポートのヴィンテージイヤーは
2005・2007・2008・2010・2011・2013・2014・2015・2016
だそうです。
今回もポルトガルへ来てよかったな、と改めて思いました。
→ケヴェドのスティルワイン(ドウロワイン)3種類はこちら!
→ケヴェドのポートワインはこちら!スタンダードからヴィンテージまで!
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