甘酸っぱい、桜の季節にジンジーニャ
[2017.3.19]
こんにちは、ちえこです。今日もこのコラムをお読みいただきありがとうございます。
3月に入り、それまで来ていた厚いコートを脱いで出かけた日、早咲きの桜がつぼみを開いているのを街路樹でみつけました。寒い日々も収束を迎え、いよいよ春がやってきますね。
桜を主役にした食べ物や飲み物、日本では桜餅や桜湯などがありますが、ポルトガルにも桜の実、サクランボから作られたお酒、リコビドスのジンジーニャというリキュールがあるので、今回はこちらをご紹介しましょう。

ジンジーニャのライナップ
サクランボと言っても、わたしたちが日本のスーパーなどで見かけるものとは違って酸味がたいへん強いため、そのまま食べるには向かない果実です。
ジンジーニャ(またはジンジャ)という名前は、ラテン語由来で「酸っぱいサクランボ」という意味を持ち、この実でつくられたリキュールは、ポルトガルで400年の歴史を誇る、人気のお酒です。街中には角打ちならぬジンジーニャスタンドがあり、「ちょっと1杯」気軽に飲むことができます。

ジンジーニャ・スタンド
ポルトガルで400年という歴史を持つリキュールなので、その間家庭でも作られてきましたし、企業によって製造販売されているものもたくさんありますが、伝統的な製法で無添加・無着色でつくっているのは、リコビドス社と、その他1-2社ほどだそうです。
その評価は高く、毎年ブリュッセルで行われる国際味覚審査機構(iTQi-ブリュッセル(ベルギー)に本部を置く、世界中の食品・飲料品の「味」の審査をし、優れた製品を表彰・プロモーションする機関。審査員はヨーロッパで最も権威ある調理師協会および国際ソムリエ協会ASIに属する一流シェフやソムリエで構成されています)において、2014年優秀味覚賞の3つ星を獲得、さらには3年連続で受賞しているため、2016年はクリスタル・テイスト・アワードという特別賞を受賞しています。

クリスタルアワード Crystal Taste Award2016受賞!
製法はいたってシンプル。「アルコール、サクランボ、砂糖、水のみを使用。リキュールに秘密はなく、酸味が高いサクランボだからこそ、この味わいになる。」と、生産社三代目のベルナルドさんは語ってくれました。

若き生産者ベルナルドさん
弱冠24歳の若き当主いわく、「家族で経営してきたリコビドス社は70年の歴史があり、シンプルに伝統に則って誠実にやってきたことが評価されている。携わっている人間として誇らしい。」と、会社への情熱を語ってくれました。頼もしい後継者ですね。
鮮やかで透明感のある色調は、サクランボが持つ自然な色あい。香りにはコンポートしたチェリー、シナモン、ナッツなど、なかなか複雑です。

透明感のある色調
味わいは、香りから想像できるように、シロップ漬けしたチェリーがポンっと口に入ってきたような果肉感がありジューシー。シロップ漬けしたフルーツと大きく異なる特徴は、やはりこのリキュールには高い酸味が感じられるということ。ただ甘いだけのシロップであれば、ひと口で充分ですが、ジンジーニャの持つ爽やかな酸味とフルーツみがバランスよく甘酸っぱさを感じさせ、アルコールの持つヴォリューム感が、単なるフルーツシロップではない深いコクを与えています。
小さな小さなグラスで、ジンジーニャを飲み干した後のグラスの香りをかいでみてください。サクランボの甘酸っぱさがほんのりと香り、アルコール度数の高いリキュールにありがちな、刺激的揮発を感じることはないでしょう。

チェリーの甘酸っぱい余韻
飲み方は、小さなグラスに注いでストレートに楽しんでいただくことをおススメしますが、トニックウォーターで割って、ミントを浮かべてカクテルに、またホットケーキにシロップソースとしてかけていただくのも美味しい食べ方となるでしょう。
ぜひ、ご家庭で工夫していろいろな味わいを楽しんでくださいね。
ポルトガルの名産品ジンジーニャ
ジンジーニャ(さくらんぼのリキュール、果実入り)500ml 甘口 食前酒 食後酒 カクテル オビドス地方 女性に人気 ポルトガル産 【6sou】
商品コード:gin-001
販売価格:3,080 円(税込)
付与ポイント:28
ジンジーニャは、日本の梅酒のように、家庭でも作られる、ポピュラーかつ伝統的なお酒です。
トロっと甘い飲み口とお菓子のような香りが疲れを吹き飛ばしてくれるお酒。
スパイスや香料は一切入っていないのに、まるでシナモンの効いたアップルパイみたいな甘美な香り。
イタリアのレモンのお酒「リモンチェッロ」のように、果実をアルコール度数の高い蒸留酒に半年から1年ほど漬け込み、砂糖水を注ぐシンプルな製法で出来た、さくらんぼのお酒です。
原料のサクランボ(ポルトガル語で Ginja 英語で Morello Cherry) は生では食べられないほど酸っぱいため、ポルトガルでは昔からジャムにしたり、お酒にしたり、工夫しながら食されてきました。
ちえこプロフィール
ポルトガルの他、ペルー、フランスでの滞在経験を持ち、スペイン語、フランス語、英語、日本語の4か国語を話す。趣味はワインと料理と写真。