ポルトガルワインと輸入食材　メルカード・ポルトガル

[2017.2.27]

こんにちは、ちえこです。今日もこのコラムをお読みいただきありがとうございます。

今日のコラムは、西麻布にある和食料理屋、カブさんのご協力をいただき、天ぷらとのマリアージュを交えながら、ポルトガルのワインをご紹介したいと思います。

リスボン近郊、大西洋に面するリスボン地方において1858年創業の家族経営ワイナリー、キンタ・ダ・カプーシャ。現在5代目となるペドロさんがブルゴーニュ、アルザス、ロワールなどのワイン醸造にインスパイアされ、それまでリスボン地方のスタイルだったバルクワイン造りから、質の向上を求め転換し出来上がったカプーシャ・ビオワイン。（2011年から転換を取り組み、2015年ヴィンテージより正式BIO認証）

ラベルのモチーフのとおり、畑から大きな化石がごろごろと出土され、昔は海だったことを簡単に想像させます。土壌は化石や潮を含んだ石灰岩土壌、フランスのシャブリ地方に代表されるいわゆるキンメリジャンと呼ばれる土壌です。

大西洋から8kmと近いことから、ぶどうが育つ条件は湿った海洋性気候であること、そして気温の寒暖差が小さいことからぶどうはゆっくりと成長、カプーシャの大きな特徴と言えます。

カプーシャ・ビオワイン2013白は、透明感のあるグリーン・イエローのトーン、グラスに鼻を近づけると切りたてのりんごの爽やかさが伝わってくるようにフレッシュな印象を与えます。ふくよかさも感じられ、桃の果実感や、さらに藤の花のニュアンスも感じられます。

口に含むとスッと感じるフレッシュさ、キリッとした爽やかさを感じたと思うとすぐに消え、追いかけるようにハチミツのような甘みとコクが広がり、余韻にはあらためて酸味が残るのを感じ、ふくよかさもあるのに、重さを感じさせない後味のよさが、杯を進めます。

天ぷらはコースでいただきましたが、ネタのなかでたいへん相性がよかったのは、ワカサギ。清らかな白身はもちろん、内臓の苦さと、カプーシャ・ビオワイ2013白のフレッシュ＆フルーティさが相まって、さらに熱々ほわほわのワカサギの身をキリっと締めてくれました。

続くご紹介のワインは、カプーシャ・ビオワイン2011赤。

ブルゴーニュ、アルザス、ロワールにインスパイアされた醸造方法を採用。ぶどうを手摘みし、花崗岩でできた桶で伝統的に足踏み破砕搾汁、天然酵母で発酵させ、1年樽にて、その後2年間瓶内熟成させ出荷されます。

清澄・ろ過を行わず、またアルコール度数15％という数字からも想像されるとおり濃厚な液体。香りにはブルーベリーやカカオ、またちょっとしたスパイスも感じられます。グラスの側面にしっかりとワインの色調を残します。

口に含むと、熟したブルーベリーやプラムといった果実感と酸味が感じられ、想像したよりもしなやかなタンニンに好感度がぐっと高まりました。ふくよかなボディに、シナモンのようなスパイス感とミントのニュアンスがエキゾチック。さあ、天ぷらのネタは何が合うと思いますか？

カプーシャ・ビオワイン2011赤には、根菜類や山菜がよくあいました。レンコン、たらの芽、特にフキノトウの天ぷらとの相性には驚かされました。熱々で、独特の苦味を持つフキノトウは、カプーシャ・ビオワイン2011赤が持つ熟したフルーツみと、エキゾチックなスパイシー感が共鳴！天ぷらには塩、もしくは少しカレー粉をかけることをオススメします。

世界無形文化遺産にも登録された和食。ワインとの相性が好い、とわかると、ますます和食とワインの楽しみ方の幅が広がりますね。ぜひ、ご家庭でも試してみてくださいね。

取材協力

西麻布　カブ

東京都港区西麻布１丁目９−７

03-5772-1395

*ワインお持ち込みの際は必ずお店へご確認ください。