ポルトガルと黄色いお菓子(Doceドース)たち
2015.9.30
皆さん、こんにちは!さちこです。
先日ポルトガルに10日ほど滞在しましたが、9月中旬にもかかわらず日中は日差しが強く25度前後の日が続いていました。夜はさすがに肌寒く感じることもありましたが、今年最後の夏を味わうことができました。
さて、少し涼しくなると食べたくなるのが甘いお菓子たち。食欲の秋ですよね。
今回のポルトガル滞在でも感じたのですが・・・、
相変わらずポルトガルのお菓子は「黄色い」です!
どこのカフェにもパステイス・デ・ナタ(エッグタルト)
カフェのショーウィンドウに並ぶお菓子は、ほとんどが黄色いので日本のケーキ屋さんのようにキラキラした印象はなのですが、ポルトガル人いわく黄色くないと美味しそうに見えないとか。
なぜ黄色いお菓子ばかりなのか、諸説はいくつかあります。
まず一つ目は、ポルトガルの昔の修道院での話。
修道院では昔、アイロンをかけるときに使う糊として卵白を使っていました。
そのため大量の卵白が使われたものの卵黄ばかりが残ってしまい、もったいないと感じた修道女たちがお菓子を作り始めたのがきっかけ、という説。
もう一つは、昔は絵画の絵の具のつなぎとして卵白を使用していたため、
大量に卵黄だけ余ったから、というもの。
最後は、赤ワインのタンニンの量を調整するために卵白が必要だった、というもの。
卵白をメレンゲにして樽に混ぜることにより、ワインの中で浮遊する澱を樽の底にとどめることができるのです。
どの説も私が何人かのポルトガル人から聞いたもので、
みなさんそれぞれ自信たっぷりに教えてくれたのできっとどれも本当のことなのでしょう。
どちらにしても少し前の時代に活躍していたのは卵白だったということですね。
今ではお菓子にたくさんの卵黄が使用されるようになり、
卵白は何に使われているのか気になりますが・・・。
ちなみにセラミックが有名なアヴェイロでは、卵の殻をセラミックの原料として使えるよう研究が進められているようです。
そんな黄色いポルトガルのお菓子たち。
同じようで、甘さや食感など少しずつ違います。地域によっても様々です。
カステラの元祖と言われるパン・デ・ロー(半熟バージョン)
アーモンドダイスの食感が美味しいトウシーニョ・ド・セウ
日本の伊達巻のようなトルタ・デ・ラランジャ
カスタードクリームそのままのナタ
基本は卵黄・砂糖・小麦粉。
そこにアーモンドやシナモン、牛乳などが加えられるシンプルなお菓子です。
どれも日本人にとっては結構甘いかもしれませんが、同じ原料でも少しずつ違う味。
機会がありましたら試してみて下さいね。
著者プロフィール
19歳の時にポルトガルに出会いすっかり虜になる。大学卒業後、日本で貿易実務、ロジスティクス、マーケティングの経験を積むが、日本とポルトガルをビジネスで繋ぎたいという気持ちが大きくなり渡ポすることを決意。ポルトガルに1年半留学しMBAを取得。在学中、現地企業やビジネスパーソンとの幅広いコネクションを築く。
現在はポルトガルジュエリーのブランド「フィリグラーナ・コン・アモール(Filigrana com Amor)」を立ち上げ、インポーターとして活動。日本とポルトガルを行き来しながら両国の情報を発信し、人・ビジネス間の交流が活発化するよう邁進中。
Web: www.filigranacomamor.com
www.eleuteriojewels.com
E-mail:s.kiriyama@worldfiligranakk.com