第62回 一度は行きたいポルトガルの劇場

一度は行きたいポルトガルの劇場

[2018.4.9]

先日、ブラガにあるシルコ劇場(Theatro Circo)へ行って来ました。 実は100年以上の歴史がある劇場で、ブラガの中心地にあります。上品でクラシカルですが、背伸びしすぎない雰囲気でちょうど良い規模の劇場です。

 

シルコ劇場がオープンしたのは1915年4月21日でしたが、その前身として1901年に既にサン・ジェラルド劇場(Teatro São Geraldo)が創設されました。この頃、まだブラガには劇場がなく、文化的な楽しみを広げたいと考えた3人の男性によって作られたそうです。記念すべき最初のパフォーマンスは、「薔薇の王女(A Rainha das Rosas)」という演劇だったとのこと。なんだかロマンチックですね。

中央のシャンデリアが美しいメインルーム。897席あります。

客席は4階まであります。

ボックス席からみた場内。特別感があります。

次第にこの劇場はオペラやブラガ交響楽団などにより、ブラガの人々の心を捉えていきました。この頃、プッチーニやヴェルディなどが人気だったようです。『椿姫』や『蝶々夫人』なども公演されていたのかもしれませんね。そして、1920年代にはメインホールが拡大し、ノーブルホールなどのスペースが建設されました。そのメインホールがこちら。
手作業で制作された美しい赤いソファ、愛称「恋人たちのソファ」が目を引きます。
シャンデリアも眩いばかり。
1930年代になると、トーキー映画が人気になり、劇場ではいくつもの映画を上映したようです。こんなに美しい劇場で映画が楽しめるなんてとても優雅な気分になりそうです。 1950年代ではファド女王アマリア・ロドリゲスのコンサートやウィーン国立管弦楽団、ロンドンのオペラの公演をすることもありましたが、テレビがカフェに普及すると劇場へ出かける人が減ってしまい、悩ましい時期だったようです。この状況は徐々に深刻になり、1970年代には1階に存在したブリストル・カフェを銀行に売却することになりました。この場所は前身のサン・ジェラルド劇場が作られた土地だったとのこと。

現在の劇場内カフェに飾ってある1950年代のカフェ(写真左)

銀行は現在も営業しています。

 

その後、1980年代からはブラガ市庁が大部分の株主資本を得て、社会的文化価値を安定して提供できる場になるよう運営していました。現在は民間企業により運営されています。2010年には小規模な講堂も増設され、メインルームと合わせて演劇・映画・オペラ・バレイ・音楽など多種多様な公演をしています。

ふっと上を見上げると、多くの細工が施されていることに驚きます。

メインホールのバルコニーから見た、ブラガのメインストリート。夏は花壇の花が満開になりとても可愛い通りです。

ドアノブにも飾りが施されています。

劇場の外観(一部)

*シルコ劇場*

Theatro Circo

住所:Avenida da Liberdade, 697 - 4710-251 Braga

www.theatrocirco.com

 

美しいシルコ劇場。

上品だけど敷居が高すぎない雰囲気がとても良いと思いますが、いかがでしたでしょうか。

 

最後に、ポルトガルの劇場に行ってみたいけれどブラガは少し遠いな、という方へリスボンとポルトの劇場についてご紹介します。

 

*サン・カルロシュ国立劇場*リスボン

1793年に創設された非常に歴史ある劇場です。1755年にリスボン大地震で倒壊してしまったテージョ・オペラ・ハウスの後身として建てられたと言われています。

Teatro Nacional de São Carlos

住所:Rua Serpa Pinto, n.º 9 1200 – 442 Lisboa

http://tnsc.pt/

*カーザ・デ・ムジカ*ポルト

ごろんと転がってしまいそうな形が目をひく劇場です。2005年にポルトがEU文化首都就任を記念して、文化的な創造を目的として建てられました。

Casa de Musica

住所:Av. da Boavista 604-610, 4149-071 Porto

http://www.casadamusica.com/pt/

ポルトガルの劇場、一度は訪れてみて下さいね。

 

それではまた次回!

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著者プロフィール

19歳の時にポルトガルに出会いすっかり虜になる。大学卒業後、日本で貿易実務、ロジスティクス、マーケティングの経験を積むが、日本とポルトガルをビジネスで繋ぎたいという気持ちが大きくなり渡ポすることを決意。ポルトガルに1年半留学しMBAを取得。在学中、現地企業やビジネスパーソンとの幅広いコネクションを築く。

現在はポルトガルジュエリーのブランド「フィリグラーナ・コン・アモール(Filigrana com Amor)」を立ち上げ、インポーターとして活動。日本とポルトガルを行き来しながら両国の情報を発信し、人・ビジネス間の交流が活発化するよう邁進中。

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