ポルトガルの乗り物たち
[2018.2.22]
今までご紹介していなかったポルトガルの交通事情。
ポルトガルへ行き始めた頃は、勝手が全くわからなく、何度もバスや電車で乗り過ごしました。時刻表の見方が分からなかったり、到着している停留所名がわからなかったり。運転手さんに聞いても教えてくれていることが分からず、違う駅で降りてしまったこともありました。でも、乗り方が分かってしまえば、問題ありません。ポルトガルではインフラが整っているので、車やタクシーに乗らなくても大体の場所には行くことができます。トラムやバス、電車に乗れると行動範囲がぐーんと広がります。ぜひ参考にしてみてくださいね。
まず紹介したいのが、リスボンのトラムです。
リスボンのアイコンとして親しまれている28番トラム。
リスボンの観光スポットを回るのに便利な28番トラム。
車内はとってもレトロ。観光客に大人気なので、観光シーズンは特に混み合っています。
この28番は、マルティン・モニス(Martim Moniz ポルトガル語ではマルティン・モニーシュと読みます)からプラゼレス(Prazeres)を結ぶ路線です。始発から終点までは約50分。市内をぐるっと見て回ることができます。
乗車する際は、運転手に乗車賃(2.85ユーロ/2018年2月現在)を支払うこともできますが、ヴィヴァ・ヴィアジェン・カード(VIVA Viagem)を事前に購入し、チャージしておく方がお得です。
リスボン市内で使える地下鉄・バス・トラムを乗る時に使えるチャージ式のカードです。
カードは0.5ユーロで購入できます。紙なので使い捨てのように感じてしまいますが、チャージしながら何度も使用できます。地下鉄の駅にある販売機で購入・チャージができます。
リスボン市内を観光する際は、24時間チケットをチャージするのがお薦めです。1回の乗車料が1.45ユーロに対し、24時間チケットは6.3ユーロなので、地下鉄・バス・トラムを24時間以内に5回以上乗る場合はお得なのです。
最新情報はこちらhttp://www.metrolisboa.pt/eng/customer-info/information-on-fares/
トラムやバスの停留所には時刻表があり、停車する駅名とだいたいの時間帯が書かれています。
まず、一番上の黄色い部分に書いてあるのが、路線名です。ここでは、「Alcântara駅からRato駅へ行く773番のトラム」という意味になります。今、自分がいる場所は、左の駅名が書かれているラインに記載されています。よくよく見てください。☜マークがあるのにお気づきでしょうか。そう、上の写真の場合、今いる停留所は「R. Capitão Afonso Pala」です。ここの停留所にくる773番のトラムは、次は「R. Possidónio Silva」に留まります。もし、「Alcântara」方面に行かれたい場合は、反対側の停留所を探してみてください。
各停留所の名前が書かれている左に小さく数字が書かれていますが、これは該当区間の所要時間を表しています。例えばAlcântara駅からEstrela駅まで行く場合は、約10分かかります。
さて、今度は写真の右側を見て下さい。ここがちょっぴり複雑なのですが、慣れれば大丈夫です。まず、それぞれのシーズン別に時刻表が用意されています。例えば、一番上の表にはDias úteis- Invernoと書かれていますが、これは冬時間の月曜から金曜日のタイムスケジュールです。いつが冬時間に該当するかは、時刻表の一番下の部分のカレンダーに記載されています。ざっくりと9月中旬から6月初旬まで、ということが分かります。冬時間というよりは、サマータイムに該当しない通常の時間、と言ったところでしょうか。
このような要領で、タイムスケジュールの表は夏時間、土曜日、日曜祝日、学校が休みの時期、8月、とバリエーションがあります。そして、肝心のトラムが来る時間ですが、〇で囲まれた数字が時間(分)を表しています。つまり、冬時間で言えば、朝の5時から6時の間は15分に1本、6時から9時の間は8分に1本、という形です。また、Dias úteis- Invernoという表記の右隣に、始発が5時15分、最終が21:30と書かれています。日曜祝日(Domingos e Feriados)だけは、全てのタイムスケジュールが時間で表記されています。
いかがでしょうか?
ポルトガル各都市に走るバスの時刻表の多くも、だいたい同じような表記の仕方ですので、ご参考にしてみてくださいね。
リスボンから郊外に行く時によく使うのが、カスカイス線やシントラ線です。カスカイス線はリスボンのテージョ川の沿岸を走っているので、天気の良い日は川がキラキラと輝いていてとても気持ちが良いです。神奈川県の江ノ島電鉄のようなイメージでしょうか。
シントラ線は、終点シントラに近づくにつれて山道になるので、遠足気分で楽しむことができます。ただし、シントラ線は少し治安が良くないと言われていますので、乗車する際は身の回りに注意してくださいね。
カスカイス線。カスカイス駅にて。
リスボンから北部に行く際は、アルファ号(Alfa)がお薦めです。日本で言う新幹線に該当する電車で、リスボンとポルト間を約2時間40分で結んでいます。1等席は€43,10、2等席は€30,80なので、新幹線に比べると気軽に乗ることができます。さらに、事前購入者向けのディスカウントもあります。ポルトガル国内の電車情報はこちらから。https://www.cp.pt/passageiros/en
リスボンのサンタ・アポローニャ駅に停車するアルファ号。1番線です。
アルファ号1等席。最新車両はもう少し高級感がありますが、こちらは数年前に乗った時の写真です。
またアルファ号より停車駅が多く少し時間のかかる特急電車は、ICと呼ばれています。こちらはリスボンからポルトまで約3時間10分ほどです。アルファ号より約6ユーロ安いので、時間がある方はゆっくり旅をするのもお薦めです。
こちらがICです。アルファ号よりも混んでいます。
最後にご紹介するのは、ポルトのメトロです。
こちらではリスボンのカードは使えず、ポルトのメトロやバスで使えるアンダンテ・カード(Andante)が必要になります。
メトロ(Metro)と呼びますが、ほとんど地上を走っています。
リスボンと同じくチャージ式ですが、ゾーン別に料金が変わります。改札口はないので、駅にあるセンサーにピピっと音が鳴るまでかざして乗車します。
路線が6本あるのですが、乗り換えする時もこのピピっとタッチをお忘れなく。不正乗車の取り締まりがわりと頻繁に実施されているので、乗り換えにタッチしていないと罰金対象になることがあります。ご注意くださいね。
アンダンテカードの情報はこちら。http://www.linhandante.com/
以上、少し長くなりましたが、ポルトガルの交通についてトラム・メトロ・電車を中心にご紹介しました。
ご旅行される時はご参考にしてみてください。
では、また次回!
著者プロフィール
19歳の時にポルトガルに出会いすっかり虜になる。大学卒業後、日本で貿易実務、ロジスティクス、マーケティングの経験を積むが、日本とポルトガルをビジネスで繋ぎたいという気持ちが大きくなり渡ポすることを決意。ポルトガルに1年半留学しMBAを取得。在学中、現地企業やビジネスパーソンとの幅広いコネクションを築く。
現在はポルトガルジュエリーのブランド「フィリグラーナ・コン・アモール(Filigrana com Amor)」を立ち上げ、インポーターとして活動。日本とポルトガルを行き来しながら両国の情報を発信し、人・ビジネス間の交流が活発化するよう邁進中。
Web: http://www.shop.filigranacomamor.com/
www.eleuteriojewels.com
E-mail:s.kiriyama@worldfiligranakk.com
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