第55回 ポルトガル誕生の地、ギマランイス(Guimarães)

ポルトガル誕生の地、ギマランイス(Guimarães)

[2017.12.28]

初代ポルトガル王が生誕した地であり、ポルトガル誕生の地として大切にされているギマランイス(Guimarães)。ポルトから北東に約60km行ったところにこの町はあります。

 

祈りの町と呼ばれるブラガ(Braga)からは、約16㎞。どちらも歴史がある町ですが、雰囲気は少し違います。ギマランイスの町の人々は、「ポルトガルはここから始まった」ということにとても誇りを持っています。

 

そんなギマランイス、町の入口にある城壁には「AQUI NASCEU PORTUGAL(ここにポルトガル誕生す)」と刻まれています。

ギマランイスを訪れたら見ておきたいスポットです。

ギマランイスを訪れたら見ておきたいスポットです。

ギマランイス散策をもっと楽しむために、今日はポルトガル王国発祥までのストーリーを簡単にお話ししたいと思います。

 

今から900年以上も前のこと。1093年、エンリケ・デ・ボルゴーニャ(Henrique de Borgonha)という人が、ポルトゥカーレの領地と伯爵位を与えられたことまでさかのぼります。

 

苗字にある「デ・ブルゴーニャ」は、“ブルゴーニュの”という意味。ブルゴーニュと言えば、フランスワインの産地を思い浮かべるかと思います。その通りで、エンリケ・デ・ボルゴーニャのひいおじいさんはフランス王ロベール2世です。そしておじいさんはブルゴーニュ公です。つまり、このエンリケさんはフランスの貴族なのです。

 

彼は、5男の末子だったので、相続として得られる権利がほとんどありませんでした。そこで、当時カスティーリャ=レオン王国(現在のスペイン北西部)の王様アルフォンソ6世が行っていたレコンキスタへ参加し、イスラム教勢力と戦うことにします。その時に現在のガリシアとポルトガル北部の地域獲得に貢献したことで、ポルトゥカーレの領地と伯爵位を与えられたのです。そして王様の娘であるテレサと結婚します。ポルトゥカーレの領地は彼女の嫁入り金でもあったようです。

 

彼がポルトゥカーレ伯爵に即位する前に、そこには既にギマランイス城が建てられていました。

959年に建設されたギマランイス城

959年に建設されたギマランイス城

この由緒あるお城でエンリケとテレサの間には、5人の子供が生まれます。しかし、テレサの父親であるアルフォンソ6世が王様の時代は良かったのですが、王様が亡くなり長女のウラカが即位すると彼女は領土拡大の野望に燃えます。そこで目を付けたのが、ポルトゥカーレでした。ウラカとテレサは姉妹ですが、ウラカは正妻の娘、テレサは愛妾の娘。そんな権力の差もあったのかもしれません。さらに、エンリケはアルフォンソ6世が亡くなった3年後に死亡してしまいます。テレサは姉・ウラカと戦いますが、結局ポルトゥカーレ伯領はレオン領となってしまいます。

 

エンリケとテレサの末子、アフォンソ・エンリケス(エンリケの子という意味があります)は父親の死後ポルトゥカーレ伯になっていましたが、1112年当時はまだ3歳前後。そのため母親のテレサが摂政として伯領を統治していました。しかし、姉ウラカに服従せざる得ない状況に陥り、テレサはすっかりカスティーリャ=レオン王国の言いなりでした。1121年にカスティーリャ=レオン王国内の貴族と再婚し、以後贅沢な暮らしをしていました。テレサを悪く言う人もいますが、出身はカスティーリャ=レオン王国です。親族に近い人たちと方が居心地も良かったのかもしれません。

 

ただ、息子のアフォンソ・エンリケスはポルトゥカーレの貴族たちの影響を受けていました。彼は侵略を進めるカスティーリャ=レオン王国やそれに加担する母親に不満を持ち、1128年の時、サン・マメ―デの戦いで母親率いる軍を追放します。その後、アフォンソは領土をどんどん広げるべく南部のイスラム勢力とも戦い、1139年に大勝します。こうして彼はポルトガル王国の王アフォンソ1世であることを宣言し、ポルトガルを建国したのです。

 

ざっくりと、ポルトガル王国ができるまでの歴史をご紹介しました。

 

このアフォンソ1世が生まれたギマランイス城。

町の中心地から徒歩でも行けますが、丘の上なので少し上り坂が続きます。

城の中から町を眺めるのも楽しいです

城の中から町を眺めるのも楽しいです

お城のすぐ近くにはサン・ミゲル教会(Igreja de São Miguel)があり、そこでアフォンソ1世は洗礼を受けたと伝えられています。また、ギマランイス城の入口には、アフォンソ1世の銅像が建てられています。初代王らしく堂々とした姿で今でも町を見つめています。

ちなみに町の中にもちょっと可愛いアフォンソ1世の銅像があります。

ちなみに町の中にもちょっと可愛いアフォンソ1世の銅像があります。

アフォンソ1世は、戦略的に首都をギマランイスからコインブラに移したため、その後の時代に他の街が築いたような華やかさはギマランイスにはありません。

 

彼が建設した建物と言えばノッサ・セニョーラ・ダ・オリベイラ教会です。町の中心地、ラルゴ・ダ・オリヴェイラ(Largo da Oliveira)とサンティアゴ広場(Palace of Santiago)にあります。

「オリーブの木の聖母」を意味する名前の教会です。

「オリーブの木の聖母」を意味する名前の教会です。

ラルゴ・ダ・オリヴェイラから散策スタート

ラルゴ・ダ・オリヴェイラから散策スタート

サンティアゴ広場。金曜日や土曜日の夜はここでたくさんの人が集います。

サンティアゴ広場。金曜日や土曜日の夜はここでたくさんの人が集います。

落ち着いた雰囲気のギマランイス。歴史的地区はすべて世界遺産に登録されています。

歴史地区には高い建物は少ないので、のんびりとした気分で散策できます。

街中のレストラン。入口もとても落ち着いた雰囲気。

街中のレストラン。入口もとても落ち着いた雰囲気。

クリスマスから年末にかけて、可愛らしいイルミネーションも見ることができます。

クリスマスから年末にかけて、可愛らしいイルミネーションも見ることができます。

城壁の外には、聖グアルテル教会(Igreja de São Gualter)

城壁の外には、聖グアルテル教会(Igreja de São Gualter)

ギマランイスの歴史地区の外は、工業都市として発展しています。

テキスタイルや靴の製造などがとても有名ですよ。

 

ポルトガル誕生の地、ギマランイス。いかがでしたか。

ポルトやブラガまで行かれる場合は、是非歴史的にも重要なこの町を訪れて下さいね。

 

2017年もこちらのコラムを読んでいただきありがとうございました!

来年もたくさんのことをポルトガルから教えてもらい、今後も情報を発信していきたいと思います。2018年もまた、皆さまにとって素敵な1年が訪れますように。

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著者プロフィール

19歳の時にポルトガルに出会いすっかり虜になる。大学卒業後、日本で貿易実務、ロジスティクス、マーケティングの経験を積むが、日本とポルトガルをビジネスで繋ぎたいという気持ちが大きくなり渡ポすることを決意。ポルトガルに1年半留学しMBAを取得。在学中、現地企業やビジネスパーソンとの幅広いコネクションを築く。

現在はポルトガルジュエリーのブランド「フィリグラーナ・コン・アモール(Filigrana com Amor)」を立ち上げ、インポーターとして活動。日本とポルトガルを行き来しながら両国の情報を発信し、人・ビジネス間の交流が活発化するよう邁進中。

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