2017年は酉年。
ポルトガルを代表する雄鶏「バルセロスの雄鶏」を、
週刊誌の表紙などポルトガルとは直接関係のなさそうなところで、
何度か見かけました。
弊社のロゴにもなっている雄鶏。実はただのマスコットではなく、
「バルセロスの雄鶏の伝説(Lenda do Galo de Barcelos)」に
出てくる雄鶏なのです。
そこで、本日はこの伝説をご紹介します。
-ポルトガルに伝わる「バルセロスの雄鶏の伝説」-
これは男の無罪を証明した、勇気ある雄鶏の話です。
昔、ポルトガル北部・バルセロスの町での出来事でした。聖地サンティアゴ・デ・コンポステラ(スペイン)へ、巡礼の旅へ向かう、オトコがいました。オトコは、旅の途中、バルセロスの町で窃盗の罪に問われ、処刑されることになってしまいました。
オトコは一生懸命無実を訴えましたが、誰にも信じてもらえず、裁判官に直接訴えることにしました。オトコが裁判官の家に着いた時、裁判官はローストチキンを囲んだ“晩餐会”の真っ最中。そこでオトコはこう言いました・・。
「私は何も盗んでいません!信じてもらえないのであれば、処刑が執行されるその瞬間、私の無実の証しとして、このローストチキンが鳴き出すでしょう!」。裁判官がそんな話を信じるワケがなく、オトコを一笑に付し、即、絞首台へ送り込みました。
しかし、処刑のその瞬間に奇跡が起こります。こんがり焼けたローストチキンが、食卓の上でスクッと立ち上がり、高らかに鳴いたのです。自分の大きな過ちに気づいた裁判官は、あわてて絞首台に駆けつけました。すると、首に巻かれたロープの結び目が固すぎたため、オトコは一命を取り留めていました。
オトコはめでたく釈放され、その後、再びバルセロスの町を訪れ、聖母マリアと聖ヤコブ(サンティアゴ)に捧げる“十字架”を建てました。それが、現在バルセロスの考古学博物館に展示されている、14世紀の十字架だと言われています。
おしまい。